音楽友に、今日も安眠

某大学教員の日記

研究

学会報告用の原稿完成+新札の用意

原因不明の体調不良から回復した後は、4月に行われる学会報告用の原稿執筆のため、ずっと部屋に引き籠っていました。いつものように書き始めてからもかなり苦しみましたが、先日、ようやく完成しました。語数にして約6500語。内容的には、博士論文第五章の…

研究の進め方

博士論文の新しい章に入って、再び研究にかなり苦しんでいます。文献を読んでノートは取っていても、なかなか論文の執筆に入れません。こう歩みが遅いと、自分の研究の進め方にどこか悪いところがあるのではないか、とも思うようになります。後々の反省の材…

論文:M・フリーデン「市民社会と善き市民――20世紀イギリスにおけるシティズンシップ概念をめぐる諸見解」

Freeden, Michael. 2003. Civil Society and the Good Citizen: Competing Conceptions of Citizenship in Twentieth-century Britain, in Civil Society in British History: Ideas, Identities, Institutions. Jose Harris (eds.). Oxford. 275-91. 20世紀…

ホブハウス『道徳進化論』に取りかかる

今日はちょっと日記風に。。。・起きて朝(と言うより昼)ご飯を作ったあと、奥さんとスカイプ。今週は病院での検査も控えており、しんどそう。4月からの転勤もあってただでさえ大変な時期なのに、数日前に発してしまった私の自己中心的な言動が、いらぬスト…

新章開始

投稿論文の仕上げにひとまずけりがついたので、博論の第三パートのリーディングに早速取りかかろうと思います。いよいよ最後のパートですが、留学全体のスケジュール的に言えば、正直ちょっと遅れ気味です。来週指導教官の先生と会うので、今後の見通しにつ…

思想史研究に役立つウェブ図書館

http://openlibrary.org/ (OPEN LIBRARY) http://www.gutenberg.org/wiki/Main_Page (Project Gutenberg)これまで、時間とお金をかけて他大の図書館まで行って一次文献の著作をコピーしたり、背表紙が真っ白のやる気のない(しかもけっこうなお金は取る)…

久しぶりのミーティング

8月の英語教授法講習と9月の引越し&旅行という中断はあったものの、7月からずっと取り組んできた新しいチャプターの第一稿14000語が、ようやく先週仕上がりました。10月終わり頃には少し行き詰っていたのですが、11月初めに気分転換もかねてロンドンに資料…

近況です

またまた更新が途絶えてしまいました。9月にカーディフ大学に移ってきて、移籍のどたばたやフランスへの小旅行を終えたあとは、今日までずっと平穏というか、変化のない日々が続いています。図書館で資料を集めて、スーパーで買い物をして、部屋で論文を進め…

フェビアン・レント論の経済思想史的背景

(以下は自分用のノートです。)シドニー・ウェッブに代表されるフェビアン社会主義者のレント理論の基礎のひとつは、収穫逓減の概念に基づくリカードの地代論(1817年)にあった。リカードによれば、地主への地代とは最劣等耕作地(市場において最も生産性の低…

『ウェッブ夫妻とその仕事』

目下、博士論文の新しい章の中身を考えているところです。テーマは決まっており、漠然としたアイデアもいくつか出てきてはいるのですが、なかなかそれらが一つの章としてのまとまりと具体性を持った形には至らず、ここ二週間ほどは、色々読んでは考えあぐね…

『福祉国家の効率と制御―ウェッブ夫妻の経済思想』

福祉国家の効率と制御―ウェッブ夫妻の経済思想作者: 江里口拓出版社/メーカー: 昭和堂発売日: 2008/06メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (6件) を見る 1980年代以降の福祉国家批判と福祉国家論の転換を受けて、思想史研究の分野…

ピーター・シンガーのヘーゲル入門(あと少しマルクス)

内容・英語ともにとても分かりやすいです。わずか50分でヘーゲル哲学のエッセンスを学べるあたり、サンデル講義より優れているかも!?Peter Singer on Hegel and Marx:http://www.youtube.com/watch?v=IxjnG1X510A (1/5)http://www.youtube.com/watch…

決断、そして・・・

前回の続きです。今年度限りでシェフィールド大学を早期退職して、奥さんのいるカーディフに戻る決心をした私の指導教官、ホールデン教授。そのことを私に告げる際、「君も来年度カーディフ大学に移らないか?そうすれば君の指導を続けられると思う」と彼は…

指導教官の意外な提案

前回の続きです。今年度限りで早期退職して奥さんのいるカーディフに戻ることを決めた私の指導教官、ホールデン教授(仮名)。突然そのことを告げられ呆然とする私をよそに、彼はさらに「話の要点は、実はここからなんだ」と続けました・・・。「退職を決め…

指導教官からの衝撃のお知らせ

前回の記事の最後に少し言及した、「この夏の懸案事項」について書きたいと思います。それはさかのぼること、今年の2月初めのこと、「ちょっと話したいことがあるんだけど、僕の研究室に来てくれるかい」と、突然指導教官のホールデン教授(仮名)に呼び出…

 ロンドンの学会に参加してきました

4月19日から3日間、英国政治学会の年次大会に参加するため、ロンドンに行ってきました。初日は電車が遅れたために行きたかったセッションに間に合わず、また会場近くにあったはずの予約したホテルがネットでの情報と違ってかなり離れた場所にあったり(あり…

セミナー報告しました

政治学研究科「政治理論・イデオロギーセンター」主催の定期セミナーでの報告が無事に終わりました。英語での報告としては、昨年の研究科内の院生発表会に続いて二回目。昨年は発表20分+質疑応答10分で、聴衆も理論・思想史系の人はほとんどいなかったので…

ただいま絶賛修羅場中+「書く」ことについて

大震災が起こったことで一時期は何も手がつかない状態でしたが、実は研究の面では2月後半からずっと修羅場が続いています。これまで学会活動などに消極的だった自分への反省の意も込めて、4月に2回、5月に1回、セミナーや学会での研究報告の機会を入れ…

ジョゼ・ハリス論文二本メモ

またもや更新を怠ってしまい、申し訳ないです。留学の記録として日記を一日の終わりにつけるようにしているのですが、そうするとブログを書く気力の方が無くなりがちで…。ともあれ、変わらず元気にやっています!留学も残り二年足らず、今年は色々と踏ん張り…

Reading Meetings on Freedom

Recently, I have started to participate in informal reading meetings regularly held among PhD students who study political theory. So far I have read two well-known papers (shown below) both related to the concept of freedom. They illumina…

History of Western Political Thought (Ch.1: Politics and Order)

History of Western Political Thought: A Thematic Introduction作者: John Morrow出版社/メーカー: Red Globe Press発売日: 2005/06/24メディア: ハードカバー クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見るNo political thinkers can do without talki…

進級試験

一年目の最大の課題だった進級試験(Upgrade)、今日、何とか通りました!博士論文を書かせてもらえるとのことで一安心です。でも面接してくれた先生方からは、まだまだ計画のフォーカスが広すぎるのでもう少し狭く厳密に議論しなさい等の批判的な意見も頂き…

プレゼン終了

18日のプレゼンテーション、何とか無事に終了しました。前日にしっかり話す内容もまとめたので、プレゼン自体はうまくいったと思います。学部生の時から名前を知っていたゼミ担当のH教授が「面白いテーマだね」と言って下さったのが嬉しかったです。ただ、質…

日、月、火と、今週木曜日のミーティング用のレジュメを作成していて、いま先生に送信し終わりました。本当は思想史研究上の主要な方法論をまとめた上で、自分の方法論の立ち位置を定めるところまで行きたかったのですが、思想史方法論は、勉強し始めるとな…

1. 只今、18日の院生プレゼンの準備と、同日午後の指導教官とのミーティングの準備、それに今月末の日本での(一時帰国することにしました!また追って書きます)ゼミ報告の準備を一度に行う必要に迫られ、かなりいっぱいいっぱいです。幸いプレゼンとゼミ報…

思想史方法論

1. Andrew Vincent, "The Nature of Political Theory" (Oxford, 2004)の「政治理論史」の方法論についての項を読解・ノート。分析的政治理論学派、スキナー(およびポーコック)の「意図−文脈」学派、レオ・シュトラウス学派の対比。僕は個人的には、歴史性…

1. 引き続きGinsbergによるHobhouse社会理論の解説を読み進める。やはり研究上の鍵は、ホブハウスが一方で自然主義的な決定論を退け人間意志の自由を社会進歩の基礎に置いていたことと、他方では社会学者として人間意志に与える社会構造(制度および他者との…

1. J.A. Hobson and M. Ginsberg, "L.T. Hobhouse: His Life and Work"(1931)のなかのGinsbergが書いた'Sociology'の章を読解・ノート作成開始。Morris Ginsbergはさすがホブハウスの愛弟子なだけある。コンパクトにまとまっていて素晴らしい。2. Michael Fr…

明日、明後日と一泊ロンドンに行ってきます。今回の目的は、日本から調査旅行に来られるイギリス思想史研究の先輩とお会いすることと、UCLとLSEの図書館でまだ入手していないホブハウスの論文や弟子Ginsbergとの手紙、そして初期社会学の学会誌Sociological …

1. R. Soffer論文読了&ノート。初期イギリス社会学をぼこぼこに批判する論文。面白かったけど、説得はされなかったぞ。2. こないだ書き上げた共著論文を読んでくれた友人から有益なコメントを頂いたので、T.H.グリーンの教育論など思い出しつつ回答を書く。…