音楽友に、今日も安眠

某大学教員の日記

1. 引き続きGinsbergによるHobhouse社会理論の解説を読み進める。やはり研究上の鍵は、ホブハウスが一方で自然主義的な決定論を退け人間意志の自由を社会進歩の基礎に置いていたことと、他方では社会学者として人間意志に与える社会構造(制度および他者との相互作用)の影響に注目していたことの相互ベクトル性を、以下に解釈すべきかという問題だと考えるようになる。これは彼の政治思想(リベラリズム)が個人の自由と共同社会の秩序の間の調和を模索していたことと、パラレルに捉えられる問題だろう。

2. Freeden, Liberalism DividedのIntroductionも引き続き。クエンティン・スキナー方法論批判の箇所をノート。スキナーが言う思想家の「意図」と思想家が置かれた「文脈」の関係性を自分はまだよく理解できていないので、Freedenのスキナー批判の妥当性もとりあえず保留。思想史方法論はあまり深追いすると泥沼化しそうな予感がするけど、やはり最低限触れておく必要はある。