音楽友に、今日も安眠

某大学教員の日記

ホブハウス『道徳進化論』に取りかかる

今日はちょっと日記風に。。。

・起きて朝(と言うより昼)ご飯を作ったあと、奥さんとスカイプ。今週は病院での検査も控えており、しんどそう。4月からの転勤もあってただでさえ大変な時期なのに、数日前に発してしまった私の自己中心的な言動が、いらぬストレスを彼女に与えてしまっている。さすがに今回は深く反省した。でも彼女は、私の性格の根本的な問題点を一緒に粘り強く考えてくれた。本当に感謝。最近は研究のことで頭がいっぱいになっていたが、この留学は自分自身をもう少しましな人間にする機会でもあった。そのことを忘れるべきではない。

スカイプの後は郵便局へ行き、手紙をくれていたシェフィールド時代の友人へ返事を投函。いつものおじいさんが愛想良く担当してくれた。他の人もよく言っているが、カーディフには優しい人が多い気がする。

・その後、授業料支払い証明書の発行を頼みに、自転車で大学の経理課へ。窓口が大学の中心から離れており、行くのが面倒。しかもせっかく行ったのに、窓口が16時までということを知らなかったために10分遅れで間に合わず、無駄足。10分しか遅れてないのに容赦なくシャッターが閉まり人影も全く無くなっているあたり、さすがイギリスである。

・何もしないで戻るのも悔しいので、近くのドラッグストアで歯磨き粉とサンドイッチとジュースを買ってから図書館へ向かう。

・図書館では、P・エイブラムス『イギリス社会学の起源1834-1914』の第六章を読む。あと今日は、これまでざっとしか目を通してなかったホブハウスの大著『道徳進化論』も、ついに腰を据えて読み始めた。


Origins of British Sociology, 1834-1914 (Heritage of Society S.)

Origins of British Sociology, 1834-1914 (Heritage of Society S.)

(↑今amazonで見るまで知らなかったが、カバーの表紙はホブハウスなのであった)


Morals In Evolution: A Study In Comparative Ethics

Morals In Evolution: A Study In Comparative Ethics

Suppose that we find a distinctive ethics of the higher civilizations, we have yet to ask whether this is the higher ethics. This is a question partly of fact but also partly of value, for, ethically, what is higher or lower? ...[I]n reality our own ethics are riddled with inconsistencies, pretences, and absurdities, and a man who would judge whether they are on the balance better or worse than any other, must have an objective standard to guide him ― that is, he must have a moral philosophy. ...[T]he real meaning of the history can only be apprehended when we have determined the question of value... (p. 36)

この“moral philosophy”へのこだわりが、デュルケームウェーバーと比べた際のホブハウス社会学のひとつの特徴であると言えるだろう。と同時に、この頃のイギリス社会学全体が今日では顧みられなくなってしまっている、ひとつの原因にもなっているように思う。