音楽友に、今日も安眠

某大学教員の日記

1. ゼミでマンチェスター大学の若手の先生による報告を聞きました。リバタリアニズムと平等主義的分配論を、後者を義務論的に解釈することで理論的に両立させようとする試みでしたが、どっちつかずといった印象で、正直、あまり魅力は感じられませんでした。手を挙げたら最初の質問者に選ばれたのでかなり緊張しましたが、何とかうまくコメントと質問ができました。今月初めのオックスフォードでの経験が効いているのか、だんだん英語で議論する度胸がついてきた気がします。

2. 以前一章を担当させてもらった某翻訳企画の出版が近づいている模様なのですが、翻訳代表の先生から訳者注の作成でアドバイスがほしいと連絡を頂き、今日はそれに取りかかりました。今回やってみて分かったのですが、翻訳って、原著をただ読んでノート取ることよりもはるかに大変だし難しい作業ですね。正直、労力の割にあまり報われない作業だなという印象も受けてしまいました…。でも日本はどうやら翻訳大国のようで、こんなマニアックな研究書まで!というものまで訳書があったりしますので、研究する側としては有難い限りです。T.H.マーシャルの『社会学社会福祉学論集』(相川書房)とか、1998年の出版当時どれだけ需要があったのだろうか。