音楽友に、今日も安眠

某大学教員の日記

東京滞在ほか

10月末は一週間ほど東京へ行ってきました。滞在中はあわただしい毎日でしたが、研究者仲間や修士課程時代の指導教官の先生方とお会いして、人生相談(?)も含め、いろいろとお話してくることができました。研究は元来孤独な営みであり、特に私の分野では文献を読んだり論文を書いたりする時など、基本は独りで頑張らなければならないわけですが、であるからこその研究者どうしのネットワークの大切さを改めて実感できた一週間でした。最後は某学会で博士論文の最終章の部分を報告したのですが、ホブハウスの倫理思想を実現しうる現実的基礎はどこか、とか、彼の思想における原論と実践論の乖離をどう捉えるべきか、など本質的な質問を数多く頂き、大変有意義な報告となりました。うまく答えられなかった面もあり、博士論文を書いてもなお課題は多いことを認識させられました。

帰宅してメールをチェックすると、カーディフ大学の指導教官の先生が博士論文の初稿へのフィードバックを送って下さっていました。来年春のイギリス政治学会がカーディフで行われることもあって、先生は最近そのオーガナイズで忙しくしていると友人から聞いていたのですが、そんななかでも二週間ほどで読んで下さいました。ありがたい限りです。全体の内容には満足とのことでひとまず安心しましたが、不明瞭な議論や表現がまだいくつかあるとのことでした。いただいたコメントをもとに修正に励んで、少しでも完成度を上げていきたいと思います。

ところで、留学していた三年間というのは、研究に打ち込めたという点ではかけがえの無い時間でしたが、その分、人生のさまざまな課題を後回しにし続けた時間でもありました。帰国した今、それらと向き合う必要を感じています。就職活動はその最たるものですが、並行して最近妻の妊娠が判明、父親になる準備にも迫られることになりました!まったく未知の世界なので今からどきどきです。とりあえず名著『プロチチ』と『カリスマ育児』を熟読しつつ、夕飯は鉄分と葉酸を含めた献立づくりを心がけるようにしています。つわりもあって食べてくれないこともままありますが。。。

あと子どもができたら車は必要だろうということで、これまで先延ばしにしてきた自動車免許も観念して取得することにしました。昨日今日と教習所ではじめて運転してみましたが、いや車って本当に凶器ですね。ちょっとした気の緩みや運転ミスが惨事に繋がってしまうことを痛感しています。昔から車の騒音が苦手なこともあって、できれば運転とは無縁の生活を送りたかったのですが、まあそうもいかないようです。特に今住んでいる愛知県は自動車王国で、車がなければ病院にも保育園にも満足に行けませんので。車「からの」自由を実質的に奪われている理不尽さを自覚しつつ、せいぜい事故らないように運転技術の向上に励みたいと思います。


プロチチ(1) (イブニングKC)

プロチチ(1) (イブニングKC)

榎本俊二のカリスマ育児 (akita essay collection)

榎本俊二のカリスマ育児 (akita essay collection)