音楽友に、今日も安眠

某大学教員の日記

一時帰国のお知らせ

また更新が途絶えてしまいました…。4月終わりあたりから色々と忙しくて、この一カ月間はあっと言う間に過ぎてしまいました。

急なお知らせになってしまいますが、今週末に日本へ一時帰国することになりました。東京での学会報告と、関西でのセミナー出席が目的です。実は今回は、私の指導教官を含めたイギリス人研究者3人と一緒に帰国することになりました。3人とも、いわゆる「イギリス理想主義思想・イギリス観念論哲学(British Idealism)」の研究者でして、東京の学会では、4人で理想主義に関する報告を行うことになりました。その後関西では、国際関係論に関するセミナーで先生方3名が報告し、私はコメンテーターの1人を務めることになりました。

準備に今も色々と苦労している最中ですが、ともあれイギリス理想主義研究を長らく牽引してきた3人を今回日本に招聘できることは、とても貴重な機会だと思っています。理想主義研究は、イギリス政治学会では独立した部会を持つほどに緊密で活発な研究者のネットワークが出来あがっていますが、日本では残念ながらまだまだ知られていない分野です(私自身、イギリスに来るまでは「ニューリベラリズム」の方により強い関心を持っていましたし)。今回の先生方の招聘が、理想主義研究に対する日本での関心を少しでも高めるきっかけになれば、と願っています。

私自身も、微力ながらイギリス理想主義の思想史的・哲学的重要性を説得的に示していけるような研究を、これから行っていければと考えています。しかしそのためには、理想主義以外の哲学・思想(功利主義と義務論の倫理思想上の対立、ラッセルやムーアの実在論哲学、また「今更」の感もありますが、政治哲学におけるいわゆるリベラル−コミュニタリアン論争など)の理解をもっと深めねば、と最近は感じる日々です。博士課程の後は、この三年間でタコツボ化してしまった自分の視野を広げていく作業が必要になりそうです。