音楽友に、今日も安眠

某大学教員の日記

金曜日、無事に進級試験用の博士論文計画書を出すことができました。普段指導教官とのミーティング用に書いているレジュメとは異なり、今回は研究科の教授陣4人が読み進級資格を判断するという重要文書ですので、見直しと修正にとても時間がかかりました。この間、特に役に立ったのは、大学の「英語学習センター」が提供してくれるプルーフ・リーディングのサービスでした。これは予約をすれば1時間、自分の書いた英文をネイティブの英語教師に添削してもらえるというもので、僕は今回このサービスを3回利用して、文法上のミスを最小限に減らすことができました(ちなみに、日本人に共通する悩みだと思いますが、定冠詞theの付け方にはいつもとても苦労します)。あとは7月1日に1時間の面接試験を受けて、晴れて正式の博士課程学生になれるかどうかが決まるとのことです。内容がどのように評価されるか正直心配ではありますが、ひとまず期限に間に合うことができてほっとしました。

今日は息抜きに、日本人の友人と大学のパブにサッカー日本対イングランド戦を観に行ってきました。日本、惜しかったですね。サッカーの詳しいことは分かりませんが、強豪イングランド相手によく守って、随所でうまい攻めも見せていたと思います。普段はイギリスの社会や政治の良いところを見て日本に対しては批判的になりがちな自分ですが、こういう時になると自然に日本を応援してしまう。ナショナリズムとは、なかなかやっかいな感情ですね(笑)。

ここ数週間、日本のニュースに詳しく触れる時間が無かったのですが、沖縄の普天間問題で大きな動きがあり、社民党が連立政権から離脱というところまで行きましたね。僕は特に民主党支持者ではないのですが、小泉政権以降の自民党に比べれば民主党の方が百倍ましだと思ってましたので、政権交代以降は比較的好意的に鳩山政権の取り組みを見守ってきました。でも、この普天間問題に対する鳩山政権の一連の対応には本当に失望しました。「対等な日米関係」とか「国外、県外への基地移設」と昨年の選挙前はあれほど言い続けていたのに、結局は米国の言うがまま、沖縄の人々に犠牲を押しつける差別的構造を温存する結果になってしまいました。さらに僕が問題だと思うのは、この間の鳩山政権の対米交渉から、「対等な日米関係」の構築に向けた本気さなどは、みじんも感じられなかったことです。結局「対等な日米関係」という言葉は、公約などではなく、政権奪取のために自民党と差異化を図ろうとした結果出てきたリップサービスに過ぎなかったということなのでしょう。民主党政権交代だけが目的の、政策的理念を置き去りにした機会主義的な政党でしかないという認識を、今回改めて強くしました。