音楽友に、今日も安眠

某大学教員の日記

NHKスペシャル「21世紀の潮流 ラテンアメリカの挑戦(第1回)」を観た。

今夜10時から放映されたNHKスペシャル「脱アメリカ宣言ベネズエラ 7年目のチャベス革命」を観た。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/060721.html


チャベス政権が医療、教育、住宅サービスなど一連の「チャベス革命」によって貧困層の生活水準を改善させ、民衆の絶対的支持を受けるその一方で、隣国コロンビアの右派民兵グループやベネズエラ国内の資本家層は、チャベス政権の転覆を画策する、そしてその背後にはアメリカ政府の軍事的援助が・・・という内容だった。


ちょっと批判するならば、どうも<チャベス大統領=善←→民兵・資本家・アメリカ=悪>という構図が、やや強調されすぎていた印象を受けた。現実はそんな単純なものではないはず。国民のどの層がどんな理由でチャベス大統領を支持(または反対)しているのか、またチャベス政権の社会改革は、果たしてどこまで国民の生活改善や格差縮小に貢献しているのかなどなど、そういったもう少し突っ込んだ報道があると、なお番組としては良かったと思う。まあ50分程度の番組では、ある程度単純な「ストーリー」を想定せざるを得なかったのかもしれないが。ともあれ日本の報道ではほとんど注目されない中南米での変動が、NHKスペシャルで取り上げられたことは意義深いと思った。


番組で特に印象に残ったのは、首都郊外の貧困地帯に住む、初老のシングル・マザーの人の話だった。政府による住宅援助や、無料の教育サービスを受け、「チャベス革命」の恩恵の象徴として番組では描かれていた。学校で生まれて初めて自分の名前を自分で書いた瞬間に、その人の見せた笑顔はとても感動的だった。