音楽友に、今日も安眠

某大学教員の日記

近況報告です(CELTA・引越し・学会報告)

また長らくブログを放置してしまいましたが、元気です。この二カ月間もいろいろありました。8月はシェフィールド大学英語教育センターで、CELTAという英語教授法コースを受講しました。将来、何らかの形で英語教育に携わりたいと思っていたことと、自分の語学力をもう少し上げたいと思ったことが受講のきっかけでした。ネイティブに囲まれつつ毎日課題に追われ、かなりハードなコースでしたが、無事に資格を取得することができました。これまで日本の中・高・大学で自分が受けてきた英語教育とは全く異なるstudent-centredかつinteractiveな教授法を徹底してたたきこまれ、目から鱗の連続でした。

 コース終了後は余韻に浸る間もなく、すぐにカーディフへ引っ越しました。カーディフウェールズの首都だけあって、洗練された美しい街並みが広がっています。カーディフ城をはじめとする歴史的な建造物とモダンなショッピングエリアがうまく調和しています。新しい家は大学から歩いて15分ほどの閑静な住宅街にあります。周りの治安が良さそうなことと、この2年間で増えた本や資料を収納できる広い部屋が気に入って決めました。ハウスメイトは、ポーランド人の社会人&博士課程学生のカップルと、インド人の博士課程の女性、フランス人の交換留学生の男の子です。ポーランド人のカップルは、この家にもう2年も住んでいるようです。掃除の分担や庭の手入れなど、家のこと全般を気にかけてくれるまさに「管理人のお兄さん&お姉さん」という感じで、とても頼もしいです(年齢は私の方が上なのですが…)。

 引っ越した後は、すぐにマンチェスター大学で開かれた政治理論学会に参加しました。カーディフ大学で新しく第二指導教官になってくれるジョーンズ先生の運転で、このたびシェフィールド大学を引退した私の指導教官ホールデン先生と、ジョーンズ先生の教え子2人、そして私の5人で、車で移動しました。5時間の長旅で、着いた頃には私を含めみんなげっそりしていましたが、ただ1人、運転してくれたジョーンズ先生はぴんぴんしてました。何でも彼は学生時代はラグビー部の主将だったようで、60歳になった今も、朝6時には起きて5キロほどジョギングをしてるのだそうです。自分の体力の無さと運動不足を反省させられました。

 私が指導教官とともに参加したパネルは、イギリス理想主義を研究する15人ほどの教員と学生が集まったもので、3日間、終始和気あいあいとした雰囲気で、私も緊張せずに報告することができました。アメリカやイタリアから来た研究者とも親交を深めることができ、大変有意義でした。特に台湾のR教授による、テイラーの政治哲学を中国の儒教のそれと比較して双方の調和を模索した報告は、文明間の対話という骨太な問題関心に支えられた、とても興味深いものでした。

 いまは学会が終わってカーディフに戻ってきて、ようやく一息ついたという感じです。何はともあれ、本腰入れて博論の新しい章に取りかからなければなりません。と言いつつ、来週は一週間ほどパリに旅行に行く予定なのですが。。。日本から来る彼女との久しぶりの再会になるので、とても楽しみです。ただ友人からは、一定のフランス人の外国人に対する尊大さ(arrogance)について(誇張混じりにですが)聞かされ、戦線恐々としています。英語を理解しているのに分からないふりをする人もいるとか、本当なのでしょうか・・・