音楽友に、今日も安眠

某大学教員の日記

ワークショップ@オックスフォード大学

三日間のオックスフォード滞在を終えて無事にシェフィールドに戻って来ました。ワークショップ、観光、資料調査と様々な収穫のあった滞在でしたが、何より初日のワークショップは自分にとって特別な思い出の残る日となりました。はじめは緊張しましたが、密度が濃いながらも和気あいあいとした雰囲気のおかげで自分も何度か質問をすることができました。先生どうしで議論が深まると内容面・語学面でついて行くのが難しいところもありましたが、自分の関心のあるテーマならば英語でも主体的に参加することができるという自信を少しだけですが身につけることができました。


とりわけ嬉しかったのが何人かの先生が僕のホブハウス研究に関心を持ってくれたことでした。何よりマイケル・フリーデン先生が「来年は彼のLiberalism公刊百周年だね、ワークショップでも開けたらいいねえ」と気さくに話しかけてきて下さって、とても嬉しかったです。構想中の論文のあらすじもお話したところ、「それはうまく行けばとても面白い。頑張ってね」と励ましの言葉を頂きました。おかげで修士課程のころ日本の某先生に「ホブハウスなんて今どき読む人いないでしょ?」と言われて以来、少しばかりの迷いがあった自分の研究の意義について、この日、ひとつの確信のようなものを見出すことができました。イギリスに来て良かったな、と心から思いました。


こうしておとといはかなり夢心地だったのですが、そんな気分を盛り上げるのに一役買ったのが夕食の時間でした。噴水や庭園や内装などあらゆるものが歴史を感じさせるナッフィールド・カレッジの一室で、長テーブルを囲みながらこれまでイギリスで食べてきたものとは次元の異なる美味しい料理を頂きつつ、知的な会話を楽しみました。(さらにこの日のワークショップは、交通費、宿泊費、夕食代、すべてシェフィールド大学が払ってくれました。高い学費の見返りとは言え、太っ腹です!)


オックスフォード自体も期待以上の素敵な街で、あらゆる場所が歴史と哲学の香りに溢れていました。こういう空気を吸ってT.H.グリーンやホブハウスたちは英国観念論とニューリベラリズムを大成したのだなあと思うと、感慨深いものがありました。


そんなわけで、今は研究へのモチベーション上がりまくりです!これから何度も壁に突き当たるだろうと思いますが、この日に得た感動を忘れずに頑張りたいと思います。


↑聖メアリー教会の塔の上より見たオール・ソールズ・カレッジ(右)とボドリアン図書館の分館(左のドーム型建物)。


↑クライスト・チャーチのダイニングホール。学生さん(ここは教会兼オックスフォード大学のカレッジだそう)は、今もここでご飯を食べるのだとか。ハリー・ポッターの撮影にも使われたらしい。中央奥にヘンリ八世の肖像画がありました。