音楽友に、今日も安眠

某大学教員の日記

イギリスの貧富の格差、40年前より拡大(BBC NEWS)

http://news.bbc.co.uk/1/hi/business/8481534.stm

LSEのJohn Hills教授らが政府の肝入りでイギリス社会の所得格差に関する調査を行った。リンク内の報告レポート内にある所得格差の推移を見ると、サッチャー政権期の1980年代に一貫して所得格差は拡大し、90年代初頭に微減、その後、90年代半ばから2007年に至るまで、ほぼ横ばいの傾向を示していることが分かる。子どもの貧困撲滅に特に取り組んできた労働党政権にこの結果は打撃だろう、と記事は結んでいる。現労働党政権の貧困対策を失敗と結論づけられるか否かについては、国際比較なども交えた考察が必要だろう。ともあれ、貧困問題をめぐるニューレイバーの政治思想と政策への反映、そしてその帰結については、個人的にも今後勉強していきたいテーマだ。それにしても、昨年ようやく貧困率だけを発表するようになった日本と、格差・貧困をもたらす社会的要因についても詳細な実証的・理論的考察を行うイギリスとでは、政府の社会調査への取り組みに対する彼我の差を感じるなあ。