音楽友に、今日も安眠

某大学教員の日記

調査の準備

1. 今週末にオックスフォード大学に初めて行く予定。ワークショップ、観光、資料調査に一日ずつ当てます。今日は閲覧したい資料をリストアップして、オックスフォードの大学の司書さんへ閲覧希望のメールをした。イギリスのほとんどの大学はSCONUL CARDという共通図書館証を持っていれば予約なしで利用可能なのだが、オックスブリッジは例外。まずメールで閲覧の予約をして、指導教官のサインなどももらいに行かなければならないとのことで、手続きが非常に厳格(面倒)だと分かった。でもメールしたら二時間くらいで返信をくれて、プロ意識も感じました。しかしお目当ての史資料については、コピー機はおろかデジカメの利用すら駄目だと言われてしまい、正直途方に暮れる。スキャナーなど置いてないのか聞いてみよう。

2. History of Sociology in Britainを10頁ほど読み進める。J.S.ミルやB.ウェッブ等、19世紀半ば以降のイギリス社会科学者には科学的実証性のみならず文学的批評性の重要性にも敏感な人々が多く、それが戦後R.Hoggart, R. Williams, S. Hallらカルチュラル・スタディーズが隆盛する流れを作っていったとのこと。逆に言うとイギリスのカルチュラル・スタディーズは、社会科学との緊張的な関係性に常に意識的であった。

3. David Boucher, 'David Ritchie: Evolution and the Limits of Rights'(D. Boucher & A. Vincent, British Idealism and Political Theory (Edinburgh, 2000)のなかの一章)を読み始める。進化・自然・倫理をめぐる理想主義者とT.H. Huxleyの思想的関係について。