音楽友に、今日も安眠

某大学教員の日記

TOEFL iBTを受けた


先週末、英語の国際試験、TOEFLを受けてきた。学部3年生の時に2回受けたきりだったので、実に4年ぶりの受験である。おととしの夏に1年間の留学から帰ってきた時は、ちょっとは英語力が上がっただろうから早いうちに受けて力試ししようと思っていたのだが、お金ときっかけとやる気が充分でなく、ずるずるとここまで来てしまった。


久しぶりに受けてみると、色々とびっくりすることがあった。ちなみに最近は留学時に比べて話す力が劇的に落ちたなーと実感する今日この頃。でもTOEFLは読み書き文法とリスニング力だけを問われるはずだから、話す力は関係ないもんねと高をくくっていた。しかし試験の予約をしようとしてTOEFLサイトに飛んだら、何やら不穏な情報が…なになにTOEFLは2006年の秋に大幅に変わり、それまでのコンピューター・ベイスト・テスティング(CBT)から、インターネット・ベイスト・テスティング(iBT)に移行しました??よく意味が分からないままガイダンス動画をクリック。するとそれはとても親切なガイダンスで、とてもよく分かりました…スピーキング問題が追加されたということが!!(ガイダンス動画のあるページ→http://www.ets.org/portal/site/ets/menuitem.1488512ecfd5b8849a77b13bc3921509/?vgnextoid=f348af5e44df4010VgnVCM10000022f95190RCRD&vgnextchannel=b5f5197a484f4010VgnVCM10000022f95190RCRD


驚くべきことに(と言っても変わったのは1年前。単に私が知らなかっただけ)、内容全体が4年前に受けた時とはがらりと変わっていた。重要な変更点を挙げると、一.スピーキング・セクションが追加された、二.リーディング×リスニング×スピーキング(またはライティング)の各スキルを同時に測る、フクザツな問題が登場、三.文法問題が無くなった、四.300点満点が120点満点になった、五.値段が高くなった、などなど(詳しい解説はウィキペディアを参照→http://ja.wikipedia.org/wiki/TOEFL_iBT)。


ということで、色々な意味でハードルが高くなった印象を受けた。リスニング×リーディング×スピーキングの統合問題の導入などについては、これらのおかげで、以前よりもより確実な英語スキルが測れますと言われれば、まあそんな気もした。しかし五.の値段が高くなった、には納得がいかなかった。4年前は受講料110ドルくらいだったと記憶しているが、これが今は170ドルに上がっていた!4年で5割強の値上げかよ。いい商売してんな〜ETS社(TOEFLの提供会社)。ためしにTOEFLと同格の、IELTSの値段も調べてみた。こっちの方が安かったらIELTSでも良いかなと思ったのだが、こちらはなんと受講料24675円!むしろTOEFLより高かった。留学需要はますます英語圏に集中してしまっているのだろうか。ふと「言語帝国主義」という言葉が頭をよぎった。


まあ1回は受けてみようと思っていたので、結局TOEFLを予約した。忙しいとはいえさすがにノー勉強だと悔いが残ると思い、模擬テスト集も購入。しかし結局9月も修論準備で忙しく、問題集は解説を一通り読むくらいしかできなかった。スピーキング問題だけは少し解いてみたが、これは数分間講義を聞いて20秒で回答を準備して1分間喋るという、とても難しいものだった。日ごろから練習して慣れないと、高得点は無理っぽい。


TOEFLテスト完全攻略模試3回分―iBT対応 (iBT対応 TOEFLテスト完全攻略シリーズ)

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↑買った問題集。


試験日近くには、当日の雰囲気を知ろうとネット上で受験記などいろいろと情報収集。次のサイトなど役に立った。
http://www.alc.co.jp/sabrd/toefl/index.html(スペースアルクTOEFL対策ページ)
http://uslawschool.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/ibt_5867.html(iBTを受けた方の詳しい受験記)


会場は東高円寺駅の近くにある、東京文化短期大学というところで、試験時間は18時から。ちなみにその日は午前中に大学で授業があったのだが、大学まで片道2時間かかる私は、朝のラッシュにも当たってしまい、授業が終わる頃にはもうふらふらだった。これでは試験でもたないと思ったので、午後は会場を確認した後バスで中野駅まで行き、体力の温存を図るため久しぶりにネットカフェに入ってみた。BBCを聴きながら2時間ほどお昼寝。5時頃再びバスで会場へ。リポビタンD飲んでストレッチして、いざ出陣!


ネット上では会場の良し悪しについていろいろ書かれていたが、ここは大学の普通のコンピュータ室という感じで、特に悪いとも思わなかった。教室はほぼ満員。学生風の若い人が多くて、中には制服姿の高校生もいた。試験は一斉開始ではないので、自分が試験を始めた後にも何人か教室に入ってきた。その人たちが係の人の説明を受けたりマイクテストをしていたのが音的に少し気になったが、集中力をそがれるというほどでもなかった。


問題は全体的にやっぱ難しかったですね〜。リーディングの量が以前よりも増えてて、大問3問あったのだがどれも時間ぎりぎり。見直す余裕は全然なかった。リーディングの後はすぐにリスニング問題。こちらは意外に4年前よりも解きやすいなと思った。これは自分のリスニング力が上がったせいと言うよりは、音がクリアになったせいだと思う。4年前に受けた時は、音がボアボアしていてとても聞きにくかった印象が強かったのだが、今回は問題集の付属CDと同様のクリアさで問題が流れたので、とてもありがたかった。しかし音のクリアさに安心したのも束の間、リスニングセクションの真の恐ろしさは、この後にやってきた!


リスニングの後は10分間の休憩をはさんでスピーキングになるのだが、私は会場に着いた後もしばらくストレッチとかしてたので、試験を始めたのが、周りの人よりも比較的遅かった。なので私がリスニングを解いてる最中に、すでにスピーキング問題に入った人が続出した!あちらこちらで喋り出す人々。いや〜気が散ること気が散ること。私のすぐ後ろにいる人の声が特に大きくて参った(しかも話すのうまかったのでつい聞いてしまった笑…)。リスニングのボリュームを全開にすると周りが聞こえなくはなったが、耳が痛くなって聞いていられない。結局ちょうど良いバランスを見つけるまでのあいだ、少しのあいだ集中が途切れてしまった。


休憩をはさんで、いざ自分もスピーキング問題へ。この初体験のセクションが今日一番の難関だと思っていたが、やっぱり難しかった。何か喋り続けるようにはしたが、つい早口になってしまったあげく、数秒え〜っと間があいてしまったり、my?his?my?his?とか意味不明のことを口走ったり、全体の構成が支離滅裂だったり、けっこうさんざんでした。もっと落ち着いてゆっくり話せばよかったのかもしれない。こればっかりは普段の練習がものを言いそう。


ライティングは個人的に一番自信があったのだが、1問目では講義の内容を聞き取るところでいくつか重要ポイントを聞き洩らしてしまい、満足な回答にはならなかった。2問目は「あなたの意見」を問う問題だが、構成もしないまま頭に浮かんだことをいきなり書き殴ってしまったので、300語は超えたものの、ブログの記事みたいにまとまりのないものになってしまった。見直しをする時間も取れなかった。


終わったのは夜10時15分。試験中はそうでもなかったが、リポD効果が切れたのか、終わったらとどっと疲れが押し寄せてきた。4時間半の試験からの解放にひたる間もなく、2時間かけて再び家路へ。全体としての感想は、やはりTOEFLは、事前準備をろくにしないで満足に解けるほど、甘いものではないというものだった。ただ問題の良し悪しを評価する力は私には無いものの、スピーキングと統合問題の導入によって、アカデミックな語学力を総合的に測るという点では、前よりも良い試験内容になっているのではないかと思った。実際大学では、読んで聞いて書いて話すことを同時に行うわけだし…。結果は15working days後にウェブ上で確認できるらしい。ちなみに4年前にCBTを2回受けたときは、良い方のスコアが253点だった。これはiBTでは101-102点に当たるとのこと。試験前には、留学で英語力がちょっと上がったのとiBT対策が充分じゃなかったのを相殺して、目標を100点に置いていたが、手ごたえ的にはちょっと難しそう。まあとにかく帰りの特急の中で飲んだビール&ローソン秋の幕の内弁当は、とてもおいしかったです。